楠木健さん。「人間誰でも幸せになりたいと思う。と同時に、とにかく面倒なことを回避するという怠惰もまた人間の本性。手っ取り早く幸せになる方法を探そうとする。そこに口を開けて待っているのが、刹那的な疑似幸福の罠です。すなわち、『人の不幸は蜜の味』。他者の不幸を知れば相対的に自分が幸せであるような気分になれます。週刊誌の見出しにはいつもスキャンダルが並んでいます。政治家の不倫や芸能人の離婚など、当人や家族、関係者以外にはどうでもいい話しのはず。それがいちいち記事になるのはメディアにとって価値があるからです。なぜかと言えば、需要があるから。権力があるとか、名声があるとか、経済的に豊かだと思われている人が、何かでしくじって急転直下不幸になる。スキャンダルは相対的幸福感を提供するコンテンツなわけです」なる。