丁寧にテイスティング

武田双雲さん。「丁寧道。実はやっていることは、茶道を大成した、かの千利休と同じです。そもそも、『お茶を淹れて飲む』というのは、言ってしまえば、茶葉や抹茶に湯を注いで飲むという動作にすぎません。根源的には、水分子にカテキン分子が入っている液体を、重力を利用して食道に流し込む物体移動に過ぎない訳で、適当にジャーッと湯を茶碗に注いでズズーッと飲んでもお茶はお茶ですよね。でも、そこであえて、茶杓や棗にまでこだわって抹茶を茶碗に入れ、さらに作法に則りながら茶釜から柄杓を使ってお湯をちょぼちょぼと注ぎ、茶筅でお茶を点ててお客に出す。客のほうでも、茶碗を回していろんな方向から愛でながら、かけ軸や挿してある花を眺め、勧められたお茶を香りまで味わいつつ、飲み干す音や袱紗・懐紙の捌き方にも意識を払う」茶道。