穏やかな幸福を

内田由紀子さん。「人生満足感尺度は『これまで望んできたものは手にいれてきた』など、個人の獲得に基づく評定が前面に出ている。もちろん個人的な達成は日本の幸福の定義にも含まれる。しかし日本では穏やかで、人並みの、また、自分だけではなく他者とともに実現される幸福が重要になることも多く、人生満足度尺度ではあまりうまく日本の幸福感が捉えきれていないという可能性がある。日本においては、(うまくいっているときに不安を抱くという)概念はかなり浸透している。『禍福は糾える縄のごとし』や『好事魔多し』ということわざを耳にしたことがあるだろう。『人生満足度尺度にすべてあてはまると思っているような人はどこかで頭を打つかもしれない!』と捉えられることもあるだろう。日本の人々はもっと穏やかで平和な幸福を願っている」禍福。