脱成長社会における幸福

内田由紀子さん。「協調性幸福尺度は日本だけでなく、他の国でも一定の妥当性を持っていることが確認されている。穏やかで人並みな生活、周囲との協調という概念は文化を超えて共有されている理解でもあることがわかる。拡大・成長する社会には北米モデルが、脱成長社会には日本モデルが、それぞれ適合しているように考えられる。資本が拡大していくときには北米モデルで個人の利得を最大化することが、効率よく社会の歯車を回すことになるだろう。しかしながら新たに投入される資本に限界が見える脱成長社会においては、個人の幸福を最大化するための無理な投資をするよりも、他者と分かち合いながら、あるいは『ほどほど』の幸せを追いかける徐行運転が社会の持続性を担保するのではないだろうか」時代と国境を越えた普遍的な幸せはあるのだろうか。