深沈厚重なるは

豊田良平さん。「『呻吟語』の冒頭には、『深沈厚重なるは、是れ第一等の資質』とありますが、この深沈厚重なる人物になるためにはどうしたらいいかということを呂新吾先生が、いろんな角度から書かれたものと思います。『深沈厚重なるは、是れ第一等の資質。磊落豪遊なるは、是れ第二等の資質。聡明才弁なるは、是れ第三等の資質』これが『呻吟語』の全巻を貫く思想です。深というのは、深山のごとき人間の内容の深さであり、沈は沈着毅然ということです。厚重は、重厚、重鎮と同じで、どっしりとしていて物事を治めるということです。上に立つ人は、それぞれの立場において重鎮することが必要です。言い換えると、その人が黙っていても治まるということです。あくまでも治まるのであり、治めるのとは違います。重厚は人間の幅が広く厚いということ」これを。