安定志向に入っては

大八木弘明さん。「知らず知らずのうちに安定志向に入ってしまったような気がします。優勝できなかった13年のうち6~7年くらいは、朝練でも何でもマネージャーに行かせて、自分は現場に行かなかったり、グラウンドにいて遠くから眺めているだけだったり。結局、練習姿勢や食事の量、体質、性格、強み、弱みなどすべてにおいて選手のことをきめ細かく見ていなかったんです。優勝していた頃は、例えば選手が朝練で走り込む際にずっと自転車で並走して指導していました。だからやっぱり安定志向はダメですね。常に挑戦して変化していかないといけない。選手たちにしてみれば、『ああ、監督はいつも朝グラウンドで待ってるだけやな』みたいな感覚と、『監督、本気だな』という感覚では、練習に取り組む姿勢に天と地ほどの差が開きます」本気の覚悟を示す。