自己啓発本の最高峰

尾崎俊介さん「スティーブン・R・コヴィーの『7つの習慣』は、二十世紀後半以降に登場した自助努力系自己啓発本の最高峰というべきもので、アメリカでも日本でも大ベストセラーとなったが、この本を読むと、自助努力系自己啓発本なるものが、今なお、ベンジャミン・フランクリンの『自伝』の影響下にあることがはっきり分かる。コヴィーが発見したのは、過去二百年のアメリカの自己啓発本の内、ここ最近の五十年に書かれたものは軽薄すぎて使い物にならない、ということだった。コヴィーは自らが掲げた『人格主義』の原点を、ベンジャミン・フランクリンに見ていたのだ。コヴィーは、『人格主義』こそ自己啓発思想の真髄であるとの確信を得、自分でもそのような主義に基づいた自己啓発本を書こうと決意する。彼もまた、特定の数の習慣を定めた」7つの。