2003-01-01から1年間の記事一覧

智を養う

『戦国策』には「智者ハ未萌ヲ見ル」とあり、『三国志』には「智ハ患(ワザワイ)ヲ免ルルヲ尊ブ」とあるという。即ち、ものごとがまだ兆さない段階でその動きを察知し、事態が悪化しないうちに適切な対策を講じられる能力が「智」であると中国文学者の守屋…

過去の自分から学ぶ

世界柔道選手権で6連覇を達成した田村亮子選手が、自分の中学生の時の試合のビデオを見たり、大学時代の自らの柔道をテーマにした論文を読み返したりして「学んで」いる、ということをインタビューで語っていた。将棋でも、スランプに陥ると調子のよかった…

泣いてみたいものだと思う。胴上げの星野監督の男泣きじゃあないが、そのことに打ち込んで達成できた涙が一番だろうが、そのことに打ち込んで達成できなかった涙でもいい。涙の後には虹も出る。そのためには、当然のことながらまず何かに心底打ち込まなけれ…

事上磨錬

陽明学では、日常生活のすべてのこと、どんなつまらない仕事でも、自分を鍛える材料になると考えるという。これが「事上磨錬」である。これでいこう、これでいこう。

陶侃の精進

東晋の時代の陶侃(とうかん)という名将は、中央の実力者に功績をねたまれ南のはずれ広州の長官に左遷されたとき、仕事に精進したばかりではなく、毎朝、百枚の大瓦を屋外に運び出し、夕方には屋内に運び入れるという作業を日課としていた。理由をたずねる…

倦むことなかれ

子路が孔子に政治家としての心構えをたずねた時、「人民の先頭に立つこと、人民に対するいたわりを忘れぬ事」に加え、「たゆまず精進を続けることだ」と答えたという。「倦(う)ムコトナカレ」である。うまくいっていないからといって、のんべんだらりと精…

劉邦の懐

漢王朝を興した劉邦は、部下に対して、自分のほうから指示や命令のたぐいをほとんど下していなかったという。何か問題にぶつかったとすると、劉邦はまず部下に意見を求め、部下の意見を吸い上げてから、「よし、それでいこう」と決断する懐の広いやりかたで…

逆境にあって泰然

「君子は逆境に突き落とされても甘んじて従い、平穏無事な時にも有事の際の備えを忘れない。だから、さすがの天も腕のふるいようがないのである。」これも『根菜譚』。「失意泰然」というが、逆境にどう対処するかが器を決めるのであろう。愚痴ばっかり言っ…

三つの心がけ

『根菜譚』に、「小さな過失はとがめない。かくしごとはあばかない。古傷は忘れてやる。他人に対してこの三つのことを心がければ、自分の人格を高めるばかりでなく、人の恨みを買うこともない」と書かれているという。そうだよなあ。

包容力

『根菜譚』に、「世渡りでは、あまりに潔癖すぎてはいけない。よごれやけがれまで、すべて腹に収めていくだけの度量を持ちたい。人間関係では、好き嫌いの感情を表に出しすぎてはならない。どんなタイプの相手も、皆受け入れていくだけの包容力を持ちたい」…

脳味噌が汗をかく

将棋の米長邦雄さんは、将棋が強くなるためには「脳味噌が汗をかくほどの集中力が大切」と言っておられる。棋士にとって、棋譜を憶えることくらい朝飯前だが、この朝飯前の作業をいくらやってみても、脳味噌は汗をかかない。考えて、考えて、考え抜いてはじ…

勝利の女神の判断基準

将棋の米長邦雄さんの言葉。勝利の女神の判断基準は2つ。一つ目は、いかなる局面においても、「自分が絶対に正しい」と思ってはならないといういうこと。もうひとつは、笑いがなければならない、ということだそうだ。なるほど、なるほど。

デフレとインフレ

日銀の那覇支店長をされていた内田真人さんから、日経文庫から出た近著「デフレとインフレ」を送って頂いた。デフレスパイラルとか、インフレターゲットとかいう言葉がニュースで飛び交う中、どんなものだろうと思っていたが、平易な説明でよく分かった。一…

今日までずっと、「大団円」のことを「大円団」だと思いこんでいた。そういえば、結婚するまで、バニラアイスクリームのバニラはバナナのことだと思いこんでいた。最も恥ずかしいのは、大学の合同ゼミ発表の時、「団塊の世代」を「ダンコンの世代」と言った…

足らぬものは

江戸時代の天才相場師、本間宗久の言葉に「足らぬ物は余る、余る物はたらぬ」というのがあるという。あると思っていると足りなくなり、大丈夫とたかをくくっていると間に合う。時間もそうだものな。

日経に大阪みやげの一位として「551蓬莱の豚まん」が載っていた。この551は、戦後間もない46年に誕生した当時の店の電話番号が551番だったのと、「ここ(55)が1番」の語呂合わせで名前をつけたのだという。551は長年の疑問だったのだけど…

卒業20周年で6月末にやった高校の同窓会の時に挨拶をしていただいた当時の担任の先生が亡くなられた。肝癌だった。発見から一ヶ月だったという。同級生で癌にかかって奇跡的に助かった奴がいて、早く病院に行くように、とBBSで警告を発している。前か…

日経ビジネスなどに、夏休みに読む一冊などが良く出ているが、我が夏の読書でいえば、ベストセラー「半落ち」が楽しめた。おすすめです。チャンドラー「長いお別れ」を読み直し、村上春樹さん達の「サリンジャー戦記」を読んだ。ちなみに篠田節子さんの短編…

夏休みで長野の八ヶ岳に行った。ドラマ「高原へいらっしゃい」のロケ地となっているロッジの近くの別荘地である。台風に一日ぶつかったが、子供達がカブトムシやクワガタムシを捕まえて喜んでいた。空気と乳製品と水がうまい。高原の気温は20度ほどである…

天才と犯罪者

英誌ニューサイエンティストに、天才と犯罪者は異性の関心を引くため30代半ばに最高の仕事をする、と出ていたという。著者であるニュージーランド・カンタベリー大学のカナザワ・サトシ氏による「女性の関心を引こうとする男性間の競争心が、科学的発見や…

天才への道

バイオリニストの佐藤陽子さんに向かってのインタビュアーの「どうやったら天才になれるのですか?」という質問に対し、佐藤さんは「まず、途中であきらめないことです」という答えを返したという。あきらめないためには、自らに天賦の才能があると信じるこ…

どうも痩せてきているのは楽しんでいないからだと気づいた。おそらくはアルファ波が出ている状態がなかったのだ。気づくと難しい顔をして作業をしている。階段を降りる時にはため息が出る。自分の好きなことをやっているはずなのに浮かない顔をしているよう…

24時間考える

建築家の安藤忠雄さんは、「二十四時間考えていないと、アイデアは出てこない。無論実際には眠りますよ、でも、眠っている間も、起きている間も、ずっと考えているんです」と言っておられた。そこまで打ち込んで、ということだろう。「三昧」に近い概念なの…

沖縄の結婚式は、とにかく楽しい。招待は300人くらいが平均で、舞台があって、気合いの入った余興をする。最後はカチャーシーと呼ばれる踊りをみんなで舞う。沖縄にいる間に結婚式に出たいと思っていたら、後半の2年間で、同じ部の人間が5人も結婚した…

夏休みを頂いて沖縄に「帰省」してきた。ウチナーンチュではないので、本当は帰省ではないのだが、子供達にとっては4年間育った場所である。友人の家に泊めて貰い、職場の結婚式に出て、やんばるの森や滝でリフレッシュしてきた。こんなにリ・フレッシュし…

カウンセリングのコツ

心理学の河合隼雄さんのおっしゃるにはカウンセリングにはコツがあると。早く診断したがるカウンセラーはやぶだそうだ。最初はじっくりと相手の話をきいてやる。どんなにつまらない話でも診断の参考にならない話でも我慢して耳を傾ける。コミュニケーション…

事前説明

新宮康男氏が、上の者からもかわいがられた理由の一つは、自分が決定権を握ってからも、重要な経営判断に関して事前説明を欠かさなかったことだという。事が公になってから不快感を味わう人が出ないようにする配慮は、外に対しても同じだったという。何も決…

耳を傾けて

住友金属の新宮康男氏は、社内・社外を問わず、人とフランクに接し、相手の話に誠実に耳を傾けたという。このことの大切さは、日向方斉氏から学んだという。日向氏は、決して問答無用で物事を進めるタイプではなく、部下が相談に訪れた時は、応接のソファー…

好き嫌い

「ビジネスは好き嫌いでやるものではない。かりに好き嫌いがあっても、その判断を優先させるべきではない。」誰の言葉か分からぬが、10年前のメモ。今、耳が痛い。

ネットワーク

キッシンジャーはクリスマスカードを10月に入ったら書き始めていたという。自分が主宰する外交専門誌を出し、各国の若手、中堅政治指導者を招いて人脈作りに精を出した。クリントンも若いころからそれこそ命がけでネットワーキングに励んできたという。ネ…