小売業は経済学より心理学

安田隆夫さん「まず、最初に言っておかなければならないことは『小売業の本質というのは経済学ではなく、心理学である』ということだ。最近、『お客様第一主義』を標榜する企業が増えてきているが、ほとんどの企業が、結局のところ経済合理性を優先しているように思われる。経済合理性というのは在庫回転率や商品の売れ筋、コストカットによる収益性の向上など、“売る側の論理”によって企業の利益を追求するための方法論だ。だが、顧客の消費行動というのは、決して経済合理性では測れない。我々ドン・キホーテが実践している小売業というのは、その対極にある。経済合理性よりもお客様の“心理的納得性”を重視し、『どうしたら売れるか』ではなく『どうすればお客様に喜んで買って貰えるか』を追求する業態だ。」いかに喜んで貰えるか。