好調時に欠点を直す

米長邦雄さん。「勝負は勝ったり負けたりである。しかも、勝ち・負けと順繰りにいくわけではなく、9連勝することもあれば、8連敗することもある。前者の時を好調、あるいは絶好調といい、後者の時を不調、あるいはスランプという。この好調時、不調時になにをなすべきか、その極意をお教えしよう。まず、好調で精神的に落ち着いて余裕のある時には、欠点を直す。つまり、自分が勝ち続けているような時には、負けた将棋を並べてみるのである。すると、心に余裕があるので、どうしてこんなことをやったのだろう、今の自分ならこんな手は指さないのにと、自分の指したまずい手を落ち着いて吟味、批判することができる。逆に、勝ち続けている時に勝った将棋を並べるのは、慢心につながり、粗い将棋になりがちなので、よくない。」好調はスランプの始まり。