心理学者クルト・レヴィンは集団意識の改革のために、まず『解凍』が必要だという。変革のためには、まず、現状のままではだめだということを認識させる(=解凍)必要がある。『解凍』なしに変革しようとすることで、7割が失敗している。今あるコップの中の水をこぼす行動がなければ、新しい変革のビジョンを伝えようとしてもうまくいかない。そのあとに、『再形成』の課程がある。それに有効なのが、割れた窓理論、即ち、行動を伴う些細な環境の変化(小さな行動の反復と累積)が大きな意識変革をもたらすという理論である。些細な行動の積み重ねでしか絶対に人間の意識は変わらない。大きな問題から着手するのではなく、むしろ些細なところに本質的な問題があると考え、小さな行動・体験の累積を重視することこそが大事であるのだと。