パッションからミッションが

金井壽宏さん。「佐渡裕さんは、キャリアの出発点では、どうすれば世界の檜舞台に立てるかというビジョンも、また、音楽を通じて人々を元気づけるというミッションも持ち合わせていなかった。音楽への熱いパッションだけが原動力だった。ブザンソンの指揮者コンクールで一位になったことで、はじめてワールドクラスのオーケストラの指揮台に立てるという展望、つまりビジョンめいたものができ、個人に根付いた強固な『わたしの夢』が、オーケストラと共にある『われわれの夢』になってきた。ある頃から、音楽を通じて人々を元気づけ、若い人を育てることが徐々に自分のミッションとの繋がりから自覚されるようになってきた。その中で、『われわれの夢』はさらに『社会の夢、将来の世代のための夢』にまで進化していっている」まず、情熱から。