理解できないものを作る

箭内道彦さん。「理解できないもの、説明できないものに対しては、軽蔑もしくは無視しているのが今の広告業界だと思うんです。僕はそうした風潮を壊したいと思うようになって、ある時から進んでわけのわからないことを実行するようになりました。そうしたら、『わからない』といわれる快感というのがだんだん出てきたんです。『わからないもの』は作っている側が気持ちいいだけではなく、受け取る側にとっても妙に引きつけられて気になる存在です。理解できないことは当然その人にとって目新しい訳ですし、頭で考えてもわからないと『処理済み』として忘れ去ることができず、ずっと心に残ることになる。ですから、実は理解できない表現というのは、アピールを目的とした広告というメディアに適したものなのだと僕は思います」解らないものを。