ただで捨てる勇気

nakatomimoka2010-07-10

下の息子と将棋の名局を並べてみようということになって、2008年第33期棋王戦の五番勝負第1局の羽生善治二冠(当時)対佐藤康光棋王(当時)の対局をネットの棋譜で見ながら並べてみた。133手目羽生さんの▲5五馬のタダ捨てに驚愕した。大事な財産である「馬」を捨てるというのは、普通選択肢として考えもしない手である。このあとも持っていれば力を発揮するであろうし、それをタダで捨てるなんて。でも、目的は勝つことにある。如何に駒を溜め込んでも、終盤では意味をなさないことが多い。単なる目標ではなく、人生の目的を達するために、いままで蓄積してきた大きなものを、思い切って捨てる勇気というのも必要なのかも知れないなあ、というようなことを考えた。もちろん、考え抜いた上、読み切った上でのタダ捨てだから意味があるのだけれど。