笑わざれば道となすに足らず

nakatomimoka2011-01-22

玄侑宗久さん。「『老子』という本に、こういう言葉があります。笑わざれば以て道となすに足らず。道というのは『老子』にとって至上のもので、言葉で言えない最高の価値なんですが、それは思わず笑っちゃうようなものだって云うわけです。つまり一般の人々が理解して納得するように道を表現するのは難しいわけですが、聞いた一瞬は『あっはっは、そんな莫迦な』と言って笑うようなことにこそ真理があるというんですね。逆にいえば、真理はあまり真面目なしかめつらしい顔つきでは現れない、というんでしょうか。ゲーテも、いかに聖なるものでも、それが説教という形で押しつけられるとき、自ら堕落していく、という意味あいのことを言っています」笑った顔は、しかめっ面に勝る。本当の真理は笑ってしまうようなこと。何となく分かる気がする。