別世界への通路

nakatomimoka2011-02-11

千宗屋さん。「露地は茶室に付属する庭ですが、自然を愛で、鑑賞するためのものではありません。当初、堺を拠点とする豪商たちの邸内に作られた茶室では、屋敷から茶室への、まさに『通路』として露地(路地)が存在していました。俗の世界から茶という別世界への通路は、そこを通る人間をリセットする装置として機能するのです。また、日常の季節や時間をあえて忘れさせるために、それが庭として整備されていく時も、花や紅葉を鑑賞するための草木が植えられることはなく、茶席の花を引き立たせるために、また日常の延長である季節をことさら感じさせない常緑樹を配するのが中心になりました。利休はこの露地を『浮世の外ノ道』、すなわち日常生活の約束を遮断して、浮世からその外へ出る道、としました」スタバに辿り着く前に俗世を忘るる通り道が欲しいものよ。