合気道の師範の話を伺っていると、ある境地に至ると、時間と空間が関係なくなるという。その合気道の練習後の飲み会で、ジャック・マイヨールの本を読んだ方がいて、潜水でも人間の限界とされていたところを越えて潜ると、時間と空間が関係ない世界になるとジャック・マイヨールが書いていた、という話になった。そのときは、いやあ、我々もビールや酒を深くやると、時間と空間が関係ない世界にいってしまいますよねえ、などと冗談をいっていたのだが、チクセントミハイのフロー状態ではないが、何にせよ、通常の人間の状態を越えるほど、極度に集中した状態というのは、時間や空間が意識としては認識されないような世界になるのではないだろうか。たとえば仕事にしても。さて、時間と空間が関係なくなる没我状態となることが、何度あることか。
