強い意志と忘我の並在

下條信輔さん。「チクセントミハイらの研究者が挙げているフロー状態の特徴、乃至は要件の最大公約数をとると、(1)チャレンジングな課題、(2)注意の極度の集中、(3)時間の変容、(4)没入、遠隔存在(関係ない刺激の無視)、(5)大きな快、となります。問題なのは、いつの時点で快があるかということです。実際にフローに入っている時には、『ああ、今気持ちいい、これはフローだ』なんていう自覚はない。逆に極端な集中と忘我の状態で、話しかけたり、外から関係ない音が来たりしても、気づかないことが多い。一方では『強い意志』によるコントロールがあって、他方では『忘我』ともいえる、我を忘れる状態がある。フローではこの一見両極端が並在する。意志の力というトップダウンの情報処理と、抹消の感覚センサーから始まるボトムアップ」並在。