芸術は対峙する

nakatomimoka2017-06-05

泉谷閑示さん。「芸術とは、邪なるものに曇らされた世俗に向って決然と対峙して、そこで忘れ去られてしまった自然の本性、すなわち『美』を力強く表現するものです。ですから、文字通りの小児の表現するものが、いかに純粋で創造性に満ちていたとしても、それだけでは芸術と呼ぶことはできません。岡本太郎もこう述べています。『子どもの絵は、たしかにのびのびしているし、いきいきした自由感があります。それは大きな魅力だし、無邪気さにすごみさえ感じることがあります。しかし、よく考えてみてください。その魅力は、われわれの全生活、全存在をゆすぶり動かさない。なぜだろうか。子どもの自由は、このように戦いをへて、苦しみ、傷つき、その結果、獲得した自由ではないからです。だから、力はない。ほほえましく、楽しくても、無内容です』」全存在を。