大恍惚と小恍惚

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渡部昇一さん。「マズローは、自己実現を十分なしとげた人は、しばしばピーク・イクスペリエンスを持つと言います。この言葉を直訳すれば、至高体験とか頂上体験となりますが、私はヴァイニング夫人の言う小さな恍惚、小恍惚が適訳だと思っています。この小恍惚に対して、大恍惚と言えるものがあります。優れた宗教家が神の啓示を得た時の絶頂感、禅の悟り、芸術家が美の本質を『これか!』とつかんだ時の開眼、……。それは、まさしく一種の神秘体験とも言えるもので、生命の本質をつかんだ偉大なる恍惚です。その時には白光が見えるというのは、比較宗教学者エリアーデが数多くの宗教を引用して証明している面白い現象ですが、いかんせん我々一般の人間には、なかなか得がたい境地です。しかし、小恍惚の境地なら、生き方一つで可能と言える」白光見たし。