小恍惚のすすめ

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渡部昇一さん。「ヴァイニング夫人は、少女の頃、夕暮れの空を飛んでいく鷺か何かを見た時、一瞬、その美しさに我を忘れるような体験をしたと書いています。それで夫人はその後の生活においても、小さなことにうっとりする体験をすることに努めたと言います。大きな喜びで夢中になれるようなことは、人生において少ないかもしれない、しかし、人生のあちらこちらで、小さな恍惚感を味わうことができると彼女は言うのです。こういう小恍惚がしばしば起こる時が、ほんとうの自己が伸びている時なのです。時間も忘れて小説に引き込まれている時のあの充実感、素晴らしい音楽に聴き惚れている時の恍惚感……。そういった小恍惚を人生のいたるところで見出し得る人は、幸せな人であり、生きがいのある人生を送っている人と言ってよいと思います」小確幸と小恍惚。