鍵山秀三郎さん。「私は今朝も五時十五分から八時まで、三時間近く近所の公園の掃除と草刈りをしてまいりました。暑さに加え、蚊に食われて大変です。別にそれをしたからといって、私には何の得にもなりません。それでもなぜやるかと申しますと、人間は自分の得にならないことをやらなければ成長できないからです。残念ながら今の時代は、自分の得になることなら一所懸命にやるけれども、自分の得にならないことはしないという人が多いですね。それではダメなんです。もちろん自分の得になることも大事ですけれども、それ以外に自分に何ら得にならないことにも励んでいただいきたいのです。『晏子』という小説に、中国春秋時代の政治家、晏子が『益はなくとも意味はある』と言う場面があります。無益なことにも意味を見出して行動する」得なくとも。