味わうことに意味がある

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甲野善紀さん。「卑近でわかりやすい例えで言えば、レストランへ行って何が出てくるかわかっても、わかったらもう食べなくていいということはないでしょう。わかっていてもまさにそれを味わうことに意味があるのですから。人間生まれた以上、どうせいつかは死ぬんです。ぶっつけ本番のこの世を舞台にしたドラマを演じていく上で、ふられた配役は、それが何であろうと、それを味わいそれを通して、”人間が生きている”ということを、どこまで掘り下げて考えられるか、考えるというより感じられるかが大事なのではないでしょうか。灼熱の太陽の下で鳴き尽くし二週間ほどで命尽きる蝉にしたって、光の中で乱舞する蛾にしたって、それをはかないと思うのは人間の勝手な感想であり、彼らはものすごく充実した時を過ごしているかもしれませんしね」命。