理想は二人

岩本一宏さん。「一人で来られたお客様は、間が持てないから、とかく主人に話しかけたがる。しかし、主人は料理に集中しているから、話し相手になるわけにはいかない。そんなことをしちえたら、ピーンと張りつめた空気を自らこわしてしまう。したがって、一人で来られたお客さまは、延々と黙って食事をしなければならなくなる。そんな人が店内に一人でもいると、異様な雰囲気になってしまい、これもぶちこわしである。グルメを自認する方が評判の店に一人で出かけ、味を確かめて合格点だったらほかの人を連れていくのだと、自慢げに書いている記事をときどき目にする。思い上がりもはなはだしい。一緒に食事をするすてきな相手がいないようでは、食べ手として一流とはいえない。では何人くらいが適当かというと、せいぜい四人、理想は二人である」二人で、食事に。