中年の危機

オリバー・バークマンさん。「セティアは40を目前にして中年の危機に襲われた体験を語っている。奇妙な虚無感に包まれた彼は、今までの人生があまりにも目標志向だったことに思い至る。活動そのものを楽しむのではなく、何かを達成するために走り続けてきたのだ。中年期には、多くの人が自分の死を意識しはじめる。死を意識すると、将来のためだけに生きることの不条理さを無視できなくなる。そのうち『将来』はなくなってしまうのに、将来に備えつづけることに何の意味があるのだろう?/『我々は人生のあらゆる瞬間の総体である』と作家トマス・ウルフは言った。自分に与えられた短い時間を生きはじめるなら、それを少しでも楽しみたいなら、今がその時だ。/時間の価値は量で決まるのではなく、大切な人と過ごせるかどうかにかかっている」目標志向でない人生。