金銭と時間の余裕

國分功一郎さん。「国や社会が豊かになれば、そこに生きる人たちには余裕が生まれる。その余裕にはすくなくとも二つの意味がある。一つ目はもちろん金銭的な余裕だ。人は生きていくのに必要な分を超えた量の金銭を手に入れる。稼いだ金銭をすべて生存のために使い切ることはなくなるだろう。もう一つは時間的な余裕である。社会が富んでいくと、人は生きていくための労働にすべての時間を割く必要がなくなる。何もしなくてもよい時間、すなわち暇を得る。では、富んだ国の人たちはその余裕を何に使ってきたのだろうか? そして何に使っているのだろうか? 「富むまでは願いつつもかなわなかった自分の好きなことをしている」という答えが返ってきそうである。その『好きなこと』とは何か?こう問うてみると、すんなりと答えがでてこなくなる」好きなこと?