プラセボの出番

イーサン・クロスさん。「験かつぎの縁起物を大切にする人を盲信の徒として片づけるのは間違っている。科学的に見て、ごく合理的なことだからだ。縁起物やお守り、癒す人の存在(シャーマンや信頼厚い医師など)、特別な環境といったプラセボが楽にしてくれると信じていれば、実際にそうなるという研究結果が、続々と明らかにされている。脳は、私たちがうまく生きていくのを助けようとし続ける予測機械だ。人は自分に求められていることに過去の経験を応用する能力に長けていればいるほど、うまく生きていける。そこで、プラセボの出番となる。プラセボは、予想する力を活かして心と体の健康を増進するための切り札だ。私たちは日常生活の中で、ある物や人物が健康にどう影響するかについて自動的な信念を形成する。平たく言えば、信じているということだ。信じているから予想が形成され、そして、症状が改善する」お守りを、信じることから。