自我の収縮

イーサン・クロスさん。「言葉にできない雄大なものの存在を前にすると、自分—そして頭の中の声—が世界の中心だとは考えられなくなってくる。それによって、思考のシナプスの流れが変わる。何であれ、それを体験することで安堵感が得られる。畏怖の念を誘う光景の中に身を置き、自分を小さく感じる時、—『自我の収縮』と呼ばれる現象だ—抱えている問題も小さく感じられる。人は畏怖の念によって時間をもっと活用できると感じられるようになる。新しい腕時計の購入のように時間を要さないが見返りも少ない物質的な体験よりも、ブロードウェイでの観劇のように時間を要するが見返りも大きい体験を優先するようになる。生理的な面では、畏怖は炎症の軽減とも関連付けられている。畏怖の念に打たれやすい人のほうが、友人に対して控えめだとされる」小さな自分。