浪費と消費の区別

國分功一郎さん。「ボードリヤールという社会学者・哲学者が述べている浪費と消費の区別に注目したいと思う。浪費とは何か?浪費とは、必要を超えて物を受け取ること、吸収することである。必要のないもの、使い切れないものが浪費の前提である。浪費は必要を超えた支出であるから、贅沢の条件である。そして贅沢は豊かな生活に欠かせない。浪費は満足をもたらす。理由は簡単だ。物を受け取ること、吸収することには限界があるからである。身体的な限界を超えて食物を食べることはできないし、一度に沢山の服を着ることもできない。つまり浪費はどこかで限界に達する。そしてストップする。人類はこれまで絶えず浪費してきた。どんな社会も豊かさを求めたし、贅沢が許された時にはそれを享受した。あらゆる時代において人は買い所有し楽しみ使った」消費。