豊かさは行き過ぎて

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グリッド・フェテル・リーさん。「お菓子屋を自然にたとえるなら、さしずめ青々として草木が生い茂り、肥沃な土壌と豊かな水、食用の動植物に恵まれた場所だろう。これは今日でさえ人々が暮らしたいと考える環境である。緑豊かな環境への選考は、いわば人間のデフォルト設定と考えらえる。豊かさの喜びが太古の昔にまでさかのぼるという考えに、私は説得力を感じたが、この喜びには限界があることにも気づき始めた。趣味のコレクションやチョコレートの詰め合わせはゴミ屋敷や肥満を招きかねない。豊かさはまさにその性質上、行き過ぎてしまうことがあるのだ。豊かさへの衝動は、欠乏の世界で発達した。ものであふれかえる世界には、『豊かさの美学』は合わなくなっているのだろうか。もはや豊かさを求める必要はないのかもしれない」豊かさの喜び。