消費は止まらない

國分功一郎さん。「しかし、人類はつい最近になって、まったく新しいことを始めた。それが消費である。浪費はどこかでストップするのだった。物の受け取りには限界があるから。しかし、消費はそうではない。消費は止まらない。消費はけっして満足をもたらさない。なぜか? 消費の対象が物ではないからである。人は消費するとき、物を受け取ったり、物を吸収したりするのではない。人は物に付与された観念や意味を消費するのである。ボードリヤールは、消費とは『観念論的な行為』であると言っている。消費されるためには、物は記号にならなければならない。記号にならなければ、物は消費されることができない。記号や観念の受け取りには限界がない。だから、記号や観念を対象とした消費という行動は、決して終わらない」浪費と違い消費活動に終わりなし。