文化的気質と幸福

内田由紀子さん。「経済的にあまり豊かでない国群の幸福度の散らばり方はきわめて大きい。GDPが低くても幸福度が高い国は、南米・中米のラテンアメリカ系の国に多い。コロンビアやグアテマラなどである。経済的要因をコントロールするとブラジルやチリ、アルゼンチンなどの国で幸福感が高く、これに欧米諸国が続き、日本など東洋では幸福感が低くなる。ブラジルでは日常的にポジティブな感情を体験することが重要視されている。幸福な感情を示すこと自体が他者への配慮であり、社会的規範となっているという。一方で文化的気質としてポジティブ感情を表出することが必ずしも社会的に良いことだと捉えられていない気質・価値観を持つ国もある。日本の会話では愚痴や困っていることが多いが、ブラジルでの状況はこれとは正反対に感じられる」文化と幸福。