心のあり方は二階建て

内田由紀子さん。「日本の心のあり方は今、二階建ての家のようになっているのではないだろうか。一階が協調性なら、二階は独立性である。協調性が長く根づいてきた一階の基礎部分だとすれば、平屋建てだった日本の心のあり方に、グローバリゼーションと市場原理主義で十分に高まった『個人の自由』を重んじる価値体系が入ってきて、二階部分が増設された。公平で自由な競争、グローバルな価値観に対応しているのが独立性で、『個人の自由』と『ユニークさ』を支えている。しかし日本における独立性は、『後づけ的』な二階部分であり土台化はされていない。個人の自由も独立性の希求も、いずれも確固たる『個』の意識についての本質的な理解が伴わなければ難しい。一部分だけを取り入れようとしたときに、どうしてもひずみが出てしまう」継ぎ足しの。