絆ホルモン

山口創さん。「オキシトシンは、1906年に英国の脳科学者が発見しました。別名『絆ホルモン』や『愛情ホルモン』などとも呼ばれています。オキシトシンが脳内で分泌されると、人を信頼したり、人と親密な関係を築いたりするからです。オキシトシンは人生のステージで大事な役割を持っています。オキシトシンは出産時に分泌が高まり、子宮を強く収縮させて、赤ちゃんを生み出します。そして射乳の働きによって母乳の分泌を促します。生まれた赤ちゃんにとっては、親子の愛着を安定させるためにも大事な役割を持っています。こうしたオキシトシンの作用があるからこそ、信頼関係に基づいた、相互扶助の社会が成り立つのです。さらに成人期になると配偶者の選択や愛情による一体感、そして精子卵子の活動を活性化して妊娠の可能性を高めることにも役立っています」絆。