見えて見えない

景色を見たとき、あそこに電線があって電信柱が立っているが、それが邪魔だ、あれさえなければ実にいい景色なのに、と人間は思いがちだが、それがいけない。電信柱があっても電線があっても、そんなもの全然目に入らないという「ものの見方」で接すれば、いい景色はそのままいい景色で自分の目に飛び込んでくる。これが大事なのだと樋口廣太郎さんは言う。見えてしまうものを見えなくする訓練がまた難しい。