神の一手  

大阪から東京出張の朝、4時間半睡眠の頭は冴えにさえているように思われ、ある画期的な概念が浮かんだ。これはもう、その時は天才的とも思えるすごいものの見方であった。新大阪の駅で、車内での暇つぶしに松下幸之助翁の一日一話というような文庫本を買った。ほら、ごくあたりまえのことが書いてあるような本があるじゃないですか。ところが車内でそれを読んでいると、そのうちの一つに、今朝たどり着いたあの画期的な考え方が、例示もほぼ同じで、簡潔に書かれているではないか。経営の神様に一歩近づいたと喜ぶべきか、当たり前と思っていて見落としていることの多さを恥じ入るべきか。