人生の正午

ユングは、40歳を「人生の正午(the meridian of his arc of life)」と言ったという。ユングによれば、人生の正午を境として、人生の前半と後半とは様相がだいぶ異なるという。ユングは、生涯を通した人間の発達を考えた。人生前半の人間の発達は、労働と愛によって社会的地位を築くためにあるとし、人生後半の人間の発達は、それまで抑圧してきた自然な、ありのままの、本来の自分らしい自分の発見にあるとした。後半のプロセスをユングは「個性化」と名付け、創造的な人生の後半を送るためには、「真の個性化」が不可欠であるとした。今や太陽は真上にあるわけだ。人生の前半に労働と愛はあったのか、人生の後半に発見すべき本来の自分はあるのか。