正しいエンパワーメント

大前研一さんは、エンパワーメントについて、部下の権利、上司の義務と考えるのはどうかと指摘する。あくまで「権限が増えると顧客にどのような価値が提供できるようになるのか」といった観点から考えるべきだとし、こう述べている。「私が考える正解は、こうです。部下の能力やスキルを見極め、その人の成長を考えたうえで、ふさわしい権限の範囲を決める。そして、部下の現在の能力水準と、その権限に求められる能力水準とのギャップを把握し、そのギャップを自ら埋める覚悟を持って、権限を与える。もちろん、顧客に累が及ぶことのないように。」「顧客には、上司と部下の関係など、どうでも良いことなのです。そして、プロフェッショナルはいつも顧客のことを考えなければならないのです。」やみくもに権限委譲ではなく、相手をよく見て。