見の目、観の目

小山龍介さん。「剣豪の宮本武蔵は集中力について『見の目、観の目』という表現をしています。『見の目』というのは、ある一点に集中する視線。これはトランス系の集中力で使われる視線です。一方の『観の目』というのは、全体をまんべんなく把握する広い視野のこと。宮本武蔵は、敵の一点を集中して見るような『見の目』ではなく、全体を眺めるような『観の目』をすすめます。そのほうが、不測の事態への対処ができるからです。『見の目』が自分の内面に没頭するのに対して、『観の目』は、自分自身だけでなく、自分を取り巻く環境へと没頭するのです。時間の流れも全く異なります。『見の目』の集中力が『時間を忘れる』類のものである一方、『観の目』の集中力は、時を止めたり、スローモーションにしてしまうのです」我、未だ観の目の領域に至らず。