玄侑宗久さん。「システム化の背後には、もともと性善説的な日本には存在しなかった、人間は管理しなければいけないというキリスト教の『性悪説』に傾いた考え方があるからです。そして、日本が長年にわたり、西洋とりわけ米国からいろいろなシステムをそのまま輸入してきた『無批判なアメリカ化』の結果という面が大きいと思います。私たちがそのおかしさに気づけるかどうか……それが問われているのかもしれません」「効率化や何かの役に立つだろうかといったことばかりが、現代人の日常生活では気にされているように思われます。日々のそうした心の持ちようが問題なのです。そもそも人生には無駄な時間など存在しないのですから」成果がすぐにでていなくても、無為に過ごしているように思われても、それは無駄ではない。そう信じて生きていく。
