攻略不能な構造

nakatomimoka2011-05-05

内田樹さん。「相対的な勝ち負けに拘泥する人間が必ず絶対的な価値を持ちだしてくるっていう構造は、それに嫌悪感を抱くのもやっぱり同じ。相対的な関係を決するのに絶対を持ってこられちゃうと、負けているほうの人が『そういうのは好きじゃない』っていくら言っても、勝てないんですよね。この仕組みはよくできているんです。神学だってマルクス主義だってしっかりできているし、そのあとの脱構築であろうとフェミニズムであろうと、みんなしっかりできていて、なかなか簡単には攻略できない。一般的な人が『知的階梯みたいなことでそんなに威張らなくでもいいのにな〜』なんて言ってみても、そういう語り口では攻略不能なんです。その負けている人のフラストレーションはずっとあると僕は思っているの。で、そこにふっと降りてくるのが村上文学」なるほど。