内田樹さん。「家族の条件というのは、家族の儀礼を守ること、それだけである。それがクリアーできていれば、もうオッケーである。朝起きたら『おはようございます』と言い、誰かが出かけるときは『いってきます』『いってらっしゃい』と言い、誰かが帰ってきたら『ただいま』『おかえりなさい』と言い、ご飯を食べるときは『いただきます』『ごちそうさま』と言い、寝るときは『おやすみなさい』と言いかわす。家族の儀礼のそれが全部である。それができれば愛も理解もいらない。私はそういう意見である。家族の間には愛情も理解も不要である。必要なのは家族の儀礼に対する遵法的態度である。家族と言ったって、ほんとのところは『よくわからない人』である。わかっているのは、『この人もまた私同様に家族の儀礼を守る人だ』ということだけである」おはよう。
