田中得夫さん。「広島カープは毎年最下位か５位という弱小チームでした。ジョー・ルーツという外人監督を招へいしました。ルーツの日南でのキャンプでの第一声は「このチームに最も欠けているのは優勝を目指すという目標意識である。今年カープは優勝を目指す」と宣言したのです。ルーツはキャンプで、“何のために日南にまで来ている？”と“何のために練習している？”と練習中も、そうでない時も、あらゆる機会をとらえて、徹底して繰り返し尋ねるのです。そして、その度に“優勝するためです”と大声で言わなければなりません。最初ぎこちなく反復していたのが、次第に口癖のようになっていきチーム全体に優勝を目指すという意識が浸透していったのです。その年カープは球団創立以来、初めて優勝するのです。前年度は最下位です」何のためにやってる？
