徘徊酒の悦楽

nakatomimoka2015-08-08

島田雅彦さん。「やはり、心にゆとりがないと、人は気宇壮大なことは考えられないし、未来を設計したりもできない。そこで、心のゆとりを確保するためにさまざまなことをやってみる。たとえば、隕石を買う。地球外の天体の破片を手玉に取りながら、時間を潰す。想像力は、一個の石でどれだけ遊んでいられるかによって測ることができる。あるいはお笑い芸人のように、ナンセンスなギャグを考えてみる。芸術家は風変わりな頭の使い方をするので、おしなべて人を食ったところがあるが、世の中をさかさまに見ることで、新たな展開が開けてくるのを待っているのだ。しかし、一個の脳で考えられることには限界があり、他人の脳味噌も使わせてもらう必要がある。本日も他人と交わるために徘徊に出かける」酒を媒介にして、他人の脳と体を借りて暇をつぶせる境地へ。