好んで愛語せよ

nakatomimoka2015-11-10

道元著をひろちさやさん訳で。「愛語というのは、衆生に接したとき、まず慈愛の心を起こし、いたわりの言葉をかけることだ。すべての暴言は慎むべきだ。世俗には安否を問う礼儀の言葉があり、仏道においても、”珍重”(ごきげんよう)、”不審”(お元気ですか)といった挨拶の言葉がある。『法華経』の『提婆達多品』にある、『衆生を慈念すること、なお赤子のごとし』といった気持ちで言葉を語るのが愛語である。徳のあるものはほめてやり、徳のない者に対しては憐れんでやるとよい。愛語を心がけていると、次第に愛語が上達する。そうすると、普段は思いつかなかったような愛語が出てくるものだ。現世の寿命の続くかぎり、好んで愛語せよ。恨みを抱く仇敵を降伏させ、高い地位にある人と親密になれるのも、愛語がその基盤にあるからである」世界を一変させる。