やりとりさえあれば

nakatomimoka2016-07-24

内田樹さん。「半日かけて穴を掘って、半日かけてまた埋めていく。その繰り返しというような仕事に人間は耐えられません。しかし、同じような労働であっても、そこに他者との『やりとり』さえあれば人間は生きてゆけます。たとえ、穴を掘って埋めるだけというような作業でも、人がいて、一緒にチーム組んで、プロセスの合理化とか、省力化とかについて、あれこれ議論したり、工夫しながらやれば、そのような工夫そのもののうちに人間はやり甲斐を見出すことができます。後で埋めるだけの穴であっても、上手く掘ったり、手間をかけずに埋めるノウハウを開発して同僚からの敬意を勝ち得るというようなことがあれば、人間はそんな仕事にでも喜びを見出すことができます。仕事の目的は結果として価値のあるものを作りだすことではないのです」そういう喜びを。