炎に代数を加えたもの

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リサ・クロンさん。「読者の心をとらえる物語を書くには、たえず読者の神経系統が期待するものに応えなければならない。アルゼンチンの作家、ホルヘ・ルイス・ボルヘスが『芸術とは炎に代数を加えたもの』と言ったのもこのことだろう。『炎』は、書き手には確かに重要なものだ。情熱は執筆を駆り立て、自分の言いたい何か、人と違う何かがあるという刺激的な感覚を与えてくれる。だが、瞬時に読者を魅了できる物語を書くためには、情熱だけでは足りない。こうした情熱、炎で読者の脳を焚きつけるには、まず物語の基礎となる潜在的な枠組みがなければならない。この枠組みがないと物語は読まれない。そしてこの枠組みを持つ物語なら、どんなに頑なな読者の度肝も抜くことができる。物語創作にはアイデアや言葉の選択以外にも大事なものがある」代数部分。