マルチタスクの誘惑

オリバー・バークマンさん。「そうするうちに、やがてマルチタスクの誘惑がやってくる。同時に2つのことをやれば、同じ時間で2倍の成果が出せるという理屈だ。ニーチェは、1887年の時点で早くもマルチタスクに警告を発している。『昼食をとりながら新聞で株式市場の動向を読んでいるとは何ごとか』とニーチェは嘆いた。そうやって時間活用ばかり考えていると、人生は想像上の未来に描き込まれた設計図となり、ものごとが思い通りに進まないと強い不安を感じるようになる。そして時間をうまく使えるかどうかが、自分という人間の価値に直結してくる。時間のなかを泳いでいたはずの僕たちは、いつしか時間を支配し、コントロールする立場になった。時間をコントロールできなければ、罪悪感でパニックになる。自分のことをダメ人間だと感じる」何事か。