気まずい現実

オリバー・バークマンさん。「現代人の生きづらさを、すべて資本主義のせいにするわけにはいかない。本当のことをいうと、僕たち自身も、進んで資本主義的な道具化に加担している。『自分自身を将来のための手段として使う』という自虐的な行為を、僕たちはあえて選んでいる。そうすれば、自分の人生をコントロールしているという全能感が手に入るからだ。人生の本当の意味は未来のどこかにあると信じていれば、いつの日かすべての努力が報われ、何も思い悩むことのない幸福な黄金時代が訪れると信じていれば、人生のゴールがどこにもないという気まずい現実に直面しなくてすむ。将来の価値を最大化することに心血を注いでいる限りは、人生には『今』しか存在しないという真実から目をそらしていられる。今この時を生きることから逃げている」いつかではなく。