暇をどう使ってよいか

國分功一郎さん。「『ゆたかな社会』すなわち、余裕のある社会においては、確かにその余裕は余裕を獲得した人々の『好きなこと』の為に使われている。しかし、その『好きなこと』とは、願いつつも叶わなかったことではない。問題はこうなる。そもそも私達は、余裕を得た暁にかなえたい何かなどもっていたのか? 資本主義の全面展開によって、少なくとも先進国の人々は裕福になった。そして暇を得た。だが、暇を得た人々は、その暇をどう使ってよいのか分からない。何が楽しいのかわからない。自分の好きなことが何なのかわからない。そこに資本主義がつけこむ。文化産業が、既成の楽しみ、産業に都合のよい楽しみを人々に提供する。むしろ労働者の暇が搾取されている。なぜ暇は搾取されるのだろうか。それは人間が退屈することを嫌うからである」暇。